07_特定非営利活動法人シンコペーション
【会社名】特定非営利活動法人シンコペーション
【代表者】理事長 池原 千佳子
【住 所】浦添市
【業 種】サービス業
【事業内容】児童館運営

事業計画と働き方ルールのブラッシュアップ

数値に基づく事業計画の作成
2026年度の事業計画の策定にあたり、物価や人件費高騰、ゼロ金利の解除等、先行きへの不透明感が増しています。
特に2026年度の委託事業費は、昨今のコスト高が配慮され増額となる可能性は低く、以前にも増して事前の精緻な計画や管理を実践できるか、が課題でした。


ロカベンのブラッシュアップと実態を踏まえた事業計画
昨年度は、ローカルベンチマークを活用して、当法人発足以来初めて、「項目別金額を意識した金額ベースでの基本計画書」を策定しました。前回は新たな取り組みを実施することにより収入が増加する計画であったため、項目別というポイントを抑えることで事足りました。
しかし、今回は、環境の変化から足元を固めるためのリスクヘッジ型の計画となり、収入や経費等の予算額を全体的に細かく見直す必要がありました。このため、事業計画作成は、検証レベルを項目別から勘定科目別にブレイクダウンし、より実態を踏まえ、詳細に予算額を策定する必要がありました。
このような状況を踏まえ、改めてロカベンによる現状把握をブラッシュアップし詳細に行った上で、特に減額する経費について、議論を重ねることで事業計画策定の支援を行いました。

リスク管理からの経費の検証と予算執行方針の確認
2026年度の事業計画は、保守的な予算となることを踏まえ、経費においても減額目線で検証したところ、新たな助成金が採択されなくとも継続しなければならない事業があることから、その費用は別途確保することが必要でした。加えて、事故やトラブルでの出費の可能性を掘り下げて検証しました。
ミスやトラブルによる突発的な出費を抑えるためには、購入金額による権限移譲、適切な手順を踏まえた事務処理や対応が重要です。独断で判断せず、報連相を通じた組織的な意思決定に基づき行動するなど、経費予算を執行する方針を見える化する等の可視化できるルール決めとその適切な運用が肝であることが、改めて共有できました。

ライフスタイルに応じた働き方にはルールの共有が必要
前年度より、労務体制の整備を目的として就業規則の見直しに着手しました。しかし、制度を整備するだけでは十分ではなく、実際の運用段階において以下の課題が顕在化しました。
・育児や介護等、多様な事情を抱える職員への配慮と公平性の両立
・勤務時間や業務分担に関する解釈のばらつき
・ハラスメント防止体制の明確化と相談窓口の整備
・管理職・現場職員双方の運用判断への不安
職員構成は、子育て世代からベテラン職員まで幅広く、それぞれの生活背景が異なります。そのため、「柔軟な働き方」を実現するためには、感覚や慣習に頼るのではなく、共通のルールに基づいた合意形成が不可欠でした。
また、子どもを対象とする現場であるがゆえに、職員間の信頼関係や心理的安全性が重要であり、ハラスメント対策を含めた健全な職場環境の構築が急務でした。制度改正後の運用に迷いが生じた際、専門的視点から助言を得られる体制の必要性が明確となりました。


正確な知識で自信をもって実践
専門家派遣では、単なる制度説明にとどまらず、「実際に現場で使える労務管理」の定着を重視した支援を実施しました。
まず、改正就業規則の条文ごとに目的と趣旨を整理し、職員説明会を通じて共有を図りました。
法律的な根拠や制度の背景を丁寧に解説することで、管理者のみならず一般職員も理解を深めることができました。
日常業務において生じる疑問(休暇取得、時間外勤務、役割分担等)については、就業規則に基づく具体的な対応例を示し、判断基準を明確化しました。これにより、属人的な判断を減らし、組織として一貫性のある対応が可能となりました。
また、ハラスメント防止に関する基礎研修を実施し、ハラスメントの定義、無意識の言動が及ぼす影響、相談対応の基本姿勢等について学ぶ機会を設けました。
さらに、現場で発生した課題については、職員同士が率直に意見を出し合う対話の場を設計し、専門家がファシリテートを行いました。
これにより、「問題を個人の責任に帰す」のではなく、「組織全体で改善する」という前向きな文化の醸成を支援しました。
結果として、職員は正確な知識を得ることで自信を持ち、規律を守りながらも思いやりをもって協働する意識が高まりました。

柔軟な発想で働き方も柔軟に
本支援を通じて、就業規則は単なる文書から「現場で活きる共通言語」へと変化しました。改正後の運用状況を検証し、実態に合わない箇所や表現の曖昧な部分について再度見直しを行い、規程のブラッシュアップを実施しました。これにより、制度の実効性が高まり、職員が安心して働ける基盤が整備されました。
また、ハラスメント防止研修を契機に、職員間のコミュニケーションの質が向上しました。日頃から意見交換を行う風土が強まり、課題が顕在化した段階で早期に対応できる体制が構築されました。子どもを取り巻く社会環境は急速に変化しており、児童館職員には常に一歩先を見据えた対応力が求められます。
今回の労務体制整備は、単なる内部管理の改善にとどまらず、「職員が安心して挑戦できる組織基盤」の確立につながりました。子どもの成長を支える現場であるからこそ、職員自身も成長を続ける必要があります。制度理解と実践を積み重ねることで、利用者・保護者・地域からの信頼向上が期待されます。
本事業は、正規雇用化を推進するうえで不可欠な「安定した労務環境の整備」を着実に前進させる成果が期待されます。



