04_一般社団法人おーきな笑

【会社名】一般社団法人おーきな笑
【代表者】代表理事 中村 和雅
【住 所】うるま市
【業 種】医療・福祉
【事業内容】児童福祉事業

新規事業の展開に向けて、事業計画書を作成する

 当社は、2023年6月に設立。当初は「子どもの居場所づくり」と「ひとり親家庭の支援」といった内容の事業を行う。今回、既存事業に関連して、新たに新規事業として『障害児通所支援事業』へ挑戦するため、計画書の作成が必要になりました。
 面談する中で設定した課題は、①法人形態の決定、②金融機関の理解を得やすい事業計画書を作成するの2点。法人形態については、『一般社団法人』という法人形態だと信用保証協会の対象にならず、銀行からの創業融資が受けづらい可能性がありました。
 新規事業については別法人を立ち上げる手段もある中で、それぞれの法人形態のメリット・デメリットを説明。中村代表の想いとしては別法人を設けるのではなく、既存の「一般社団法人おーきな笑」の新規事業として展開したいという熱意から、一般社団法人での新規事業として展開することになりました。

計画書のブラッシュアップと金融機関へ同行訪問

 設定した2つ目の課題として、金融機関の理解を得やすい事業計画書の作成(修正)に携わりました。事業計画書に関しては、代表者自身で作成できており、内容としても概ね問題はありませんでした。
 一方で手を加える部分としては①「資金使途の根拠についての説明」と②「収支計画にキャッシュフローベースの計画を加える」という2点を行いました。
 事業計画書の修正を行った後、金融機関への融資相談に同席し、中村代表より本事業についての概要や、なぜその金額が必要なのかという点を中心に説明を行いました。

施設開所、そしてその後の課題整理に向けて

 事業計画書を提出後、無事に融資実行まで対応することができました。融資実行後、11月には多機能型支援事業所を開所。当初想定していたよりも費用がかかってしまった部分はありますが、利用児童も順調に推移しており、これから更なる発展が期待できます。
 一方、事業が実際に始まると新たな課題も見つかりました。放課後等デイサービスを適正に運営するためには、制度を深く理解し、加算点などを取りこぼしなく行うことが重要です。加算点に関しては、人員配置や専門性の高い支援や利用者支援に関することなど、多様に及びます。専用の請求システム等を活用することで、申請を行うことはできますが日々の予実管理を行う際にどのように行えば良いかという悩みがあります。
 この問題については、自社で利用しているExcelを適宜加工することで管理しやすいフォーマットを提供し運用を行いながら、利用しやすいように修正を加えて活用していただくこととしました。

法人として働く職員の安定のために

 勢いよく事業を立ち上げてから3年目を迎え、利用者数も安定し、事業運営も軌道に乗ってきました。一方で、組織としての基盤整備は十分とは言えず、日々の業務に追われる中で、職員が安心して長く働き続けられる環境づくりが後回しになっているという課題が顕在化してきました。
 特に、法人としての理念や目指す方向性は共有されているものの、それを支える就業規則や各種規程、労務管理の仕組みが現状に十分対応していない状況がありました。職員の勤務時間や役割分担、評価のあり方、給与や手当の整理などが曖昧なままでは、将来的な人材定着や正規雇用化の推進に不安が残ります。
 また、法人として安定的に成長していくためには、代表個人の経験や判断だけに頼るのではなく、法令に基づいた客観的で持続可能な労務体制を構築する必要があると感じていました。
 しかし、どこから着手すればよいのか、専門的な知見を求めて沖縄県正規雇用化サポート事業へ申し込みました。
 まずは法人の現状課題を丁寧に共有し、他団体の事例や既存規程を参考にしながら、自法人の実態に即した形で規程を見直すことから支援がスタートしました。

代表・管理者の学びからスタート

 既に就業規則は作成されていましたが、法改正への対応や、実際の運用との乖離が見られる項目がありました。そのため、単なる形式的な改正ではなく、「どのような法人を目指すのか」「職員にどのように働いてほしいのか」という理念の再確認から取り組みました。
 中村代表へのヒアリングを通して、法人の将来像や人材育成の方向性を言語化し、その内容を就業規則や賃金規程へ反映させる作業を進めました。職員の仕事内容や責任範囲、勤務時間の考え方を整理し、給与体系や各種手当の位置づけを明確化することで、納得感のある制度設計を行いました。
 また、代表や総務担当者から寄せられる多くの質問に一つひとつ丁寧に回答しながら、これまで十分に理解されていなかった労働基準法や関連法令について解説しました。法令遵守の重要性だけでなく、適切な労務管理が職員の安心感やモチベーション向上につながることを共有しました。
 支援を重ねる中で、単なる「規程の整備」ではなく、「法人運営の土台づくり」であるという認識が深まりました。何度も意見交換を行い、時には考えを整理し直しながら進めたことで、代表および管理担当者の理解が着実に高まりました。その結果、制度の内容を自らの言葉で説明できるようになり、職員へ自信をもって伝えられる状態へと変化しました。

自信をもって利用者・職員からの信頼を得る

 障害児通所支援事業は、マニュアル通りに進まない場面が日常的に発生する現場です。利用者一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応が求められるため、現場職員の判断力とチームワークが何より重要となります。
 そのような環境だからこそ、職員が安心して働ける職場環境の整備が不可欠です。労務ルールが明確になり、役割や責任の所在が整理されたことで、職員同士が協力しやすい土台ができました。また、代表自身が労務管理の基礎知識を身につけたことで、問題や課題が生じた際にも冷静かつ適切に対応できる体制が整いつつあります。
 今回の支援を通じて、代表と担当職員が連携しながら一つひとつの項目を確認し、理解を深めていくプロセスそのものが、組織力の向上につながりました。「なぜこの規程が必要なのか」「どのような思いでこの制度をつくったのか」を共有できたことは、大きな成果です。
 今後は、整備した制度を着実に運用しながら、正規雇用化の推進と人材定着を図り、職員の育成と成長を支える法人へと発展していくことが期待されます。代表が自信をもって経営を進める姿勢は、利用者やそのご家族、そして職員からの信頼向上にもつながり、法人の持続的な発展の礎となるものと確信しています。