01_合同会社アーキテクトPLUSJOY

【会社名】合同会社アーキテクトPLUSJOY
【代表者】代表社員 西平 奨矢
【住 所】那覇市
【業 種】サービス業
【事業内容】不動産

既存事業における業績改善

 当社は、代表社員の建設会社従業員としてのこれまでの経験・ノウハウを活かし、「戸建て住宅を持ちたい」と願う個人客を相手に、住宅建設のコンサルティングを行うことを主力事業として、これまで事業展開をしてきました。4期目を迎える2026年の春からは、新規事業として北部(名護市)にて障害児通所支援事業を展開することを計画しておりました。
 その一方で、社長が日々の業務に追われる中、当社としては、既存事業の立て直しが急務でした。特に、①資金繰り管理、②事業の再定義、③ターゲット顧客の特定とそのアプローチを見直す必要性に迫られていました。

事業内容の再定義とターゲット顧客へのアプローチの検討

 「とにかく売上を増やす」という意識をひとまず押さえてもらい、資金繰り表を作ることを通じ、実際のところ、入出金の実態がどのように推移しているのかを見える化することを試みました。どの事業で、いつ、いくらの入金が発生するのか?どのタイミングでどんな出金があるのか?をひとつひとつ確認しました。
 このプロセスを通じ、「どの事業に可能性があるのか」、「どの事業はひかえるべきか」などを一緒に検証し、社長ご自身に今後の方向性を検討してもらいました。この取組を通じ、残った事業が「住宅建設コンサルティング」と「不動産売買」でした。
 続いての検討事項は、「誰に対してアプローチすべきか?」でした。各事業について、想定顧客のニーズを洗い出しながら、可能性の高いものに絞り込んでいきました。結果、「住宅建設コンサルティング」は「本当に戸建て住宅を望む人」、不動産売買は「本当に不動産を売りたい人、買いたい人」がターゲット顧客になることを、社長ご自身にご認識いただくことになりました。

契約件数の増加、資金繰り対策の具体化

 「やるべきことは確実にやる」、逆に「やってはいけないことはやらない」という線引きがハッキリできたため、社長の日々の雑務を劇的に減らすことにつながりました。
また、成果につながる取組を特定することができたので、契約件数も確実に伸ばすことができました。
 社長はこれまで、「資金繰り表」など、今まで耳にしたことがないものでしたが、データ入力作業をコツコツ作業を継続していただいたことで、毎月の入出金を見える化することにつながりました。その結果、当社のこれまでの資金の流れを具体的な金額で把握できるようになり、今後の入出金の見込みも、そのタイミングを含め、予測することができるようになりました。
さらには、修正事業計画をまとめることもできたため、金融機関に対する説明もしっかりできるようになり、新規事業を展開するための資金繰りの目途もつけることができました。今後も引き続き、持続可能な事業運営をしていく予定です。どうもありがとうございました。

事業開始前に就業規則の整備を行うメリット

 就業規則の整備義務は従業員が10名を超えてからなので、「事業開始当初は、従業員も数名だし就業規則の作成までは必要ないだろう」と考えがちですが、事業開始のタイミングが就業規則を作成する一番の機会です。
 まず、創業期のメンバーは、会社の将来性に不安を感じながら入社してきます。入社時から服務規程や退職のルールが明確になっていることで、会社への信頼につながり、安定的な事業のスタートを切ることができます。
 また、少人数の従業員で事業を開始する場合、口約束で物事が決まりがちになります。経営者がその理念に基づき就業規則を事前に用意しておくことが、理想の組織運営への助けとなります。

キャリアパスとキャリアアップ制度

 特に事業開始時の従業員の定着は課題であるため、2026年からの事業開始に向け、キャリアパス表による賃金制度、キャリアアップ(正社員化)制度の整備を行いました。キャリアパス表(職務等級やスキルに応じた昇給ルートを明示したもの)とそれに応じた賃金表を作成することで、従業員にそれぞれの職務内容と責任の範囲を明確に伝えることができ、また昇給の道筋がわかりやすくなります。労使間の職務、職責に関するミスマッチの防止にも効果があり、会社の期待する技能を向上させることで従業員のモチベーションアップが期待できます。さらにキャリアアップ制度を導入することで、長期的な雇用の安定につなげます。一定の期間で職務と職責を遂行する有期雇用と異なり、長期的または将来までの職務、職責を担う正社員は、会社の持続的な成長を支える人材となり、事業を永続的に行う上で経営者にとってのパートナーとしての役割が期待できます。
 その他には社長の理想とする働き方を明確にし、休暇制度、福利厚生として就業規則に規定を行いました。

制度の運用に期待

 現時点では、今回整備した各制度についての効果はまだ知ることはできません。キャリアパス表を作成したことで、福祉・介護職員等処遇改善加算等において上位区分の算定が可能になり、キャリアアップ制度については、キャリアアップ助成金活用の準備ができたと言えます。また、育児介護休業規程の整備も行い、両立支援等助成金の活用も可能です。労働関連の助成金活用にあたってはほとんどの場合就業規則の整備が必要です。中小企業にとって助成金は大きな助けとなるので、開業時に就業規則があることは、大きな利点となります。
 制度の準備は整いましたので、今後、実効性のある運用が行われることを願っております。