13_八重山生コン工業グループ(代表企業:八重山生コン工業株式会社)

【会社名】八重山生コン工業グループ(代表企業:八重山生コン工業株式会社)
【代表者】代表取締役 米盛 博和
【住 所】石垣市
【業 種】製造業
【事業内容】生コン製造業

戦略的経営計画の策定が必要

 当社は1966年12月に八重山地区で初めて設立された生コンクリート製造販売会社であり、創立58年を迎えます。関連会社として採石業を営む米盛建材㈲を有し、グループ企業全体で「安心・感動・信頼」を経営理念に掲げ事業を展開しています。
 グループ企業の経営は現在健全に運営されていますが、今後の中長期的に成長・発展するには、経営理念を実践するための経営計画・経営戦略などを構築することが課題となります。
 経営資源であるヒト・モノ・カネのなかでも特にヒトが重要であり、人材の確保・育成が必要不可欠です。そのため適切な組織体制を整備し、中長期の経営計画等を実践できる状況を構築する必要があります。八重山生コン工業グループの経営課題を抽出した結果、両社とも財務状況は良好ですが、今後も安定的に成長・発展するためには経営計画・経営方針・経営戦略などを一体化した「戦略的経営計画」策定する必要があります。

経営理念の明文化と行動指針

 まず、経営理念を明文化し、さらに経営方針や従業員の行動指針まで落とし込んで一体化し、それを実践する体制を整備する必要があります。
 次に、環境分析として、外部環境と内部環境を整理するためにSWOT分析を実施し、戦略を立案して経営戦略を構築する必要があります。このようにして、「経営理念」、「経営方針」、「経営戦略」を一体化した「戦略的経営計画」策定する必要があることを支援しました。

経営戦略と人材育成

 経営戦略を構築するには、ヒト・モノ・カネといった内部資源を分析し、当社の強みや弱みを抽出することや、外部環境の現状と将来性を分析して当社の機会と脅威を抽出するなどのSWOT分析を行う必要があります。内部資源や外部環境を分析することで、当社の経営戦略の方向性を構築することができました。
 また、経営資源であるヒト・モノ・カネの中でも特にヒトが重要であり、人材の確保・育成が必要不可欠です。そのため、適切な組織体制を整備する必要があります。今後、どのように従業員の能力を伸ばしていけばよいかを明確にするため、一人ひとりの課題を認識させることを目的に社会人基礎力調査を実施しました。これにより、当社の人材育成の方針が明確になるとともに、従業員の満足度を把握することができました。
 さらに、従業員の行動指針の実践と連動した評価制度とチャレンジ制度(賃金制度・昇給制度)まで構築する機運が生まれました。

就業規則の見直し

 当社は、八重山地区で初めて設立された生コン工場として、石垣市に本社を構え、生コンクリートの製造・販売や建設資材の輸入販売を行っております。現在運用されている就業規則が現行の労働法や会社の実態と乖離している箇所があり、ハラスメント防止などの規定が最新の法改正に対応していない点が課題となっていました。さらに、正社員登用制度が明文化されておらず、登用の基準や手続きが不明確でした。そのため、従業員の雇用形態の透明性を高め、適切な制度を整備する必要がありました。加えて、キャリアアップ助成金の活用により、企業負担を軽減しながら正社員登用を進めることが可能でしたが、助成金の適用要件や申請手続きが複雑であり、十分な理解と準備が必要でした。
 さらに、2025年4月施行の育児・介護休業規程の法改正に対応するため、関連規程の見直しや従業員への周知も求められていました。そのため、制度の整備と助成金活用に向けた具体的な対策を講じることが重要な課題となりました。

法改正対応と正社員登用支援

 当社の課題に対して、まず就業規則の見直しを実施しました。従業員の区分定義、労働時間、休日、年次有給休暇時間単位取得、変形労働制、ハラスメント防止、育児・介護休業規程などを含む全体的な改訂を行いました。特に、2025年4月施行の育児・介護休業規程の法改正に対応するため、改正内容を規程に反映し、従業員への周知を図りました。
 また、正社員登用制度を明文化し、登用基準や手続きの明確化を進めました。これにより、従業員が理解しやすく、適切なキャリア形成を促進する基盤を整備しました。さらに、キャリアアップ助成金の活用を支援し、適用要件の確認から申請手続きの資料提供と説明を行いました。両立支援助成金についても説明を行い、これらの支援により、企業の労務管理体制の強化と従業員の安心した就業環境の提供が可能となりました。また、副業兼業の事前届出の条文追加や中退共利用の退職金があるが規程がないため作成する必要があります。

働きやすさと企業成長の実現

 就業規則の見直しにより、法改正対応でき従業員の働きやすさが向上しました。正社員登用制度が明文化されたことで、キャリアアップがしやすくなり、雇用の透明性も高まりました。
 また、キャリアアップ助成金の活用サポートにより、企業の負担が軽減され、正社員登用が進みました。副業兼業の届出条文追加や退職金規程の整備で、令和の従業員の多様な働き方に対応できる環境が整い企業としての強みも増しました。