09_医療法人太陽会
【会社名】医療法人太陽会
【代表者】理事長 狩俣 陽一
【住 所】浦添市
【業 種】医療福祉
【事業内容】病院・介護施設経営

より良い介護サービスを担う人材づくりのために

職員の介護スキルの早期育成とモチベーションアップの実現
医療法人太陽会は内科医院とともに併設されたデイサービス、グループホーム・地域包括支援センターを有し、介護、医療と連携したサービスを提供しています。
とくに介護支援事業であるグループホームの運営は開所して日が浅く、介護サービスを担う人材不足を解消し、より良いサービスの提供に必要な労働力の確保が最大な課題となっています。介護労働を魅力ある職業とし、いきいきとした職場づくりとともに、介護職員の早期のスキルアップと雇用管理の改善と整備を図ることが求められています。
これらの実現のためには、その基本となる介護職員の能力開発・育成と処遇反映の基準となる能力評価の基準づくりが、最重要課題であります。

能力は仕事を通じて把握する・・・「職務調査」の実施
職員の能力評価の基準づくりには多くの労力を要します。なぜなら、職場に求められる能力は、その職場に存在する仕事を通じて明らかにしていかなくてはならないからです。職場にある全ての仕事(課業)を書き出し、一つひとつの仕事の内容を列記し、一つひとつの仕事を評価していく必要があります。
さらには、職員の能力開発、スキルアップにも活用できるものに仕上げていかなくてはなりません。そのために「職務調査」という手法を用い、仕事に熟知したスタッフの下、課業および課業内容の書き出し、課業評価という作業を実施しました。


職員のスキルアップのための仕事の教科書づくり
高齢化の進展する中で、介護が必要される高齢者はますます増加し、それを支える介護サービスの提供現場に従事する介護職員の雇用管理の整備・改善と介護サービス事業者の十分な配慮が求められております。
今回実施した「職務調査」において、介護職員のスキルアップが短期間に成しうるよう、仕事の教科書づくりをイメージし実施しました。勤務体系別に業務を分け、全体で約85課業を書き出し、それら一つひとつの内容を箇条書き、さらには業務実施上の注意するポイント、必要能力およびその習得方法を記述、最後に課業の評価を実施しました。
その結果、全体を3等級の職能区分に分類し、一般職層2等級と管理職層1等級に区分整理し職能要件書としてまとめ上げました。新規採用の職員、未経験の職員にも、、業務の内容や手順を示し、短期で戦力となり得るよう仕事の教科書、そして能力の評価基準として作成しました。

より高度なチームワークと「報・連・相」の強化で更なる付加価値を目指す!
地域密着型の内科医院である当医院は、令和5年に新たな介護事業部門を立ち上げました。この事業は、3ヶ所のユニットで構成されています。各ユニットにはユニット・リーダーが配置され、それらユニット全体を統括する管理者が1名配置されています。事業開始時から、各リーダーと管理者の連携により運営を進めて今日に至っています。その間、業務の複雑化やサービス・ニーズの多様化に伴い、より高度なチームワークと「報・連・相」の強化が求められています。
特に、ユニット間の更なる情報共有の強化や、よりスムーズなコミュニケーションの実践が課題となっており、生産性向上と円滑な意思疎通を図る必要があります。また、現場の状況に応じた柔軟な意思決定やリーダー間の連携の強化を通じて、全体のサービス品質を更に高める取り組みが求められています。地域社会への更なる貢献を目指す上で、これらの課題解決が急務となっています。

現状の棚卸から始まり、個々の「強み(長所)」を生かす仕組み創りへ!
現場支援は、毎回前半・後半の二部構成で行いました。前半では、各ユニットの会議にオブザーバーとして参加し、第三者の視点から「気になる点」や「改善点」を洗い出し、現状把握及びその分析を実施しました。
また、各ユニット会議の議事録(前回会議の記録)や各リーダーによる進行方法を観察し、必要な改善ポイントを明確化しました。後半では、前半のオブザーバーとしての記録である「気付きメモ」を基に、ユニット・リーダーや管理者と「リーダー研修」を実施しました。この研修では、まず前半のユニット会議の振り返りとしてフィードバックを実施して意見交換を行いました。また、生産性向上を目的とした他社の成功事例の共有や解説に加え、業務改善のヒントを提供しました。
さらに、「ダイヤモンド・シート」を活用し、自己理解やリーダー間の相互理解を深めるワークを行いました。議論を活性化させ、改善策を現場で即実行できるようスキル向上にも努めました。

コミュニケーション力の向上と「あるべき理想のチーム」の創造へ向けて!
リーダー会議では、他社の成功事例を活用した「議事録」や「会議進行」の工夫により、生産性の向上が確認されました。
また、「ダイヤモンド・シート」を用いた自己理解と相互理解の促進により、リーダー間のコミュニケーションが活発化しました。その結果、チームワークが強化され、「報・連・相」の更なる徹底が進みました。更に、全体的な業務効率が向上し、介護事業の運営がより円滑に進むようになりました。新たな課題への対応力も向上しています。

