01_株式会社いちば

【会社名】株式会社いちば
【代表者】代表取締役社長 與那覇 翔太郎
【住 所】宮古島市
【業 種】製造業
【事業内容】すし、弁当、調理パン等の総菜製造・販売、コンビニFC店の運営、公園指定管理事業

部門ごとの問題・課題の整理

 当社は宮古島市で、すし、弁当、惣菜を中心とした食品製造業を展開しています。創業から87年目を迎えており、看板商品のいちばずしは宮古島市内でソウルフードとして広く知られています。食品の製造以外でもコンビニ2店舗の経営や公園の指定管理業務など様々な事業を展開しており、各部門ごとの課題の整理や組織的な働きかけが課題として挙げられていました。
新型コロナウイルス感染症の第5類移行後、宮古島には観光客が多く来島し、経済活動も活発になってきました。それに伴い、人材の奪い合いも発生しており、人件費の高騰や人材の確保が大きな課題となっています。今回の支援では、部門ごとの現状把握を行い、問題と課題の整理、課題解決に向けたアクションプランの立案を行いました。
 また、部門ごとの課題、アクションプランの進捗の共有を行い、組織的な課題解決に向けた取り組みが始まりました。

財務分析と情報共有

 課題の整理を行うために部門別の状況把握を行いました。初めに部門ごとの財務分析を行い、そこから見える課題を整理しました。その後、現場のリーダーへのヒアリングを行い課題の設定とアクションプランの検討を行いました。
 また、定期的に各部門間での課題や進捗報告などの情報共有を行う場を設け、自部門だけでなく、会社全体での発展に向けた議論を行いました。

課題が明確になり、目標が出来た

 これまでは会社全体での課題設定や事業計画の作成を行っていましたが、部署によっては課題が相違していることもありました。今回は部門ごとの財務分析からスタートし、それぞれの現状が見える化されたことで、各部門が自分事として考え、具体的な課題と目標数値を設定することができました。また、部門ごとの損益や資金繰りなどが明確になったことで、自社の強みを再認識し、今後の経営資源の活用方法などを検討することにも繋がっています。
 更に、部門のリーダー間で情報を共有する場が出来たことで、部門間でのアドバイスやサポートを行う機会が増えました。生産性が向上しただけでなく、組織がこれまで以上に活性化されているように感じます。
 今後は、部門ごとの修繕計画や投資計画、人材育成計画等、より深堀した事業計画を作成していきたいです。

法改正や実態に合わせて就業規則を改定する

●長い間、就業規則を改定しておらず、環境の変化とともに実態に合わなくなってきています。また、昨今の法改正にも対応できていないので改定の必要性を感じています。
●弁当、惣菜を中心とした食品製造部門、コンビニを2店舗経営するFC部門、公園の指定管理等、異なる業種の仕事をしているため労働時間管理が難しくどのように設定したらいいか困っています。
●業種柄、パートタイマーやアルバイトの方が多く、従業員の採用と定着が大きな課題です。正社員への転換を推進し、安心して長く働ける環境を創っていきたいです。
●各種助成金を活用しながら働きやすい環境作りに役立てていきたいので、各種助成金が活用できるように就業規則を整備していきたいです。

正社員・非正規社員就業規則、育児・介護休業規定の整備

●食品製造部門の労働時間や休日について、時期的な繁閑が明確になっていたので、忙しい時期は休日を少なくして暇な時期に休日を多くするという1年変形労働時間制を導入しました。FC部門は、1年変形はなじまないので通常の1週40時間、1日8時間制導入しました。
●有給休暇の強制付与を明記し5日は必ず取得させること、有給休暇管理簿を整備しきちんと管理することを明記しました。また、セクシャルハラスメントやパワーハラスメント、マタニティーハラスメント等の禁止と相談窓口を設けることを明記しました。
●賞与と昇給の時期が不明でしたので、賞与の支給月と昇級の時期を明記しました。また、深夜に勤務する従業員に対しては法令に基づく回数の健康診断を実施することも明記しました。
●キャリアアップ助成金を活用するためには、正社員、契約社員、パートタイマー等、従業員の定義を明確にしました。さらに、実態に合わせて賃金の形態や各種手当の改定をしました。

助成金を活用できる 環境整備はできました

●正社員就業規則、非正規社員就業規則、育児・介護休業規定の3つを整備し、12月に労働基準監督署に届出しました。
●今回は、1年変形労働時間制を導入したので、年間カレンダーと1年変形協定書と協定届を作成し、これも労働基準監督署に届出しました。
●キャリアアップ助成金を活用するために、キャリアアップ計画書を作成し助成金センターに届出をしました。これで、助成金を活用できる環境は整いました。